妖狐伝説、蘇る
貴族が零落し武士が台頭を始める保元の乱勃発前後の政争と絡めた伝承があった。 久寿元年(1154)、鳥羽院の前にあわられた才色兼備の美女「玉藻前」。 しかし其の後、鳥羽院の健康がすぐれず陰陽師安倍泰親に正体を見破られ 那須野に戻ったが、命を受けた三浦介、上総介という二人の武士に殺され、 狐の霊は殺生石となった。 という伝承を基に、「玉藻前」の幼友達という眼を通して語られる 物語は、新たな物語を生んだ。 また綺堂らしく華麗な文章が随所に見られるにもかかわらず読みやすい のだが、旧字体であればまだ良かったと思える。 綺堂は、安倍泰親を登場させているが、 泰親の4男、安倍泰成が当時陰陽頭として鳥羽天皇に仕えていたので、 勘違いか?
原書房
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